■概要
本作は元チェスの世界チャンピオンであるガルリ・カスパロフ氏の作品で、2007年に発刊された本になります。
元チェスの世界チャンピオンということでチェスを通してどのように指し手を決断していたかやチェスを引退してからは政治家として活動しているため、政治や企業の戦略についても説明する内容になっています。
■構成
大きな章立てとして3個、細かい章立てが19個ある章立て構成になっています。
1章:必須の技能
2章:評価・分析
3章:総合力
ガルリ・カスパロフ氏がチェスを通して大切していること心がけていることをテーマ毎に分類して発信する構成になっています。
■本の印象
■おすすめポイント
・元チェスの世界チャンピオンが指し手をどのように決断しているかを説明してくれる
・政治や企業の戦略に関しても説明がある
・コラムで有名チェスプレイヤーの論評を読むことができる
■どんな人におすすめか
・チェスが好きな方
・政治や企業の戦略に興味がある方
・ガルリ・カスパロフという人間に興味がある方
■読んでみた感想(ネタバレ含みます)
特に心に残った内容が2点あります。
一つ目は「問うこと、そして正しい問いを見つけることが、進路をそれずに前進する鍵だ」、二つ目は「持って生まれた才能を最大限に活かすには、批判的に自己を分析して最大の弱点を改善する覚悟がなくてはならない」になります。
それぞれ以下で説明します。
■一点目
問うこと、そして正しい問いを見つけることが、進路をそれずに前進する鍵だ。私たちの戦術、日々の決断は、長期的な目標に基づいているだろうか?
正しい決断をするには正しい問いを問う事が大切だと説いている。
では正しい問いを見つけるにはどうしたらよいのかあまり説明されることがないように思える。
カスパロフ氏は長期的な目標をその人が設定できているかどうかが正しい決断をするには必要不可欠と説明しており、自分がどうなりたいのかの基準を持つことの大切さを説いていると感じた。
■二点目
持って生まれた才能を最大限に活かすには、批判的に自己を分析して最大の弱点を改善する覚悟がなくてはならない。長所を活用した方がいいのは確かだが、偏りすぎれば伸びしろは限られる。全体を改善する最も手っ取り早い方法は、自分の弱点に取り組むことだ。
この計画を始める時には、自己評価の固定観念に耳を貸さないことが大切になる。
物、時間、質をうまく混合して多面的な評価を下せれば、何を望んでいるのか明確に理解し、それをどう達成するのか計画を立てることができる。すべての要因がわかれば、それを転換して構築する方法を学ぶことも可能だ。
才能の活かし方として弱点の改善に取り組む大切さを説いている。
一流プレイヤーになりたければ、固定観念でこれは自分は苦手だと思わず、自分がこうなりたいからその実現のために何に取り組むべきかを考えるべきだと私は捉えました。
■おわりに
決定力を鍛えるを紹介させていただきました。
元チェスの世界チャンピオンの作品で単純に指し手の説明だけでなく対局に向けた準備や自分の能力をどう伸ばすのかといった戦略についての説明が多く内容の深みを感じました。
読んでいただきありがとうございました。
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